子供の頃に買っていた犬の話

“私は、小さい頃から犬が大好きで、今も犬を飼っているのですが、初めて飼った犬には特別な思いがあります。私がまだ小さい頃に母がもらってきてくれた犬なので、なんとなく一緒に育ったというような、どこか兄弟のような気持ちもあったのだと思います。
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その犬は、中型の雑種犬だったのですが、何とも言えない愛嬌のある犬でした。基本的に穏やかで優しい犬だったのですが、私たち家族が思わず笑ってしまうような事をする事が多くて、いつも家族の中心でしたし、犬の話をすると、家族みんなが笑顔になるような、そんな存在でした。
好物は、犬には珍しくトウモロコシで、母がトウモロコシをゆで始めると、クンクン鳴いて催促していたものでした。普段は何をしても怒らないのに、トウモロコシを食べている時にちょっかいを出して取り上げようとすると、うなり声をあげて嫌がっていました。怒っても、決してかまないのをいい事に、私はいつもちょっかいをかけてトウモロコシを取り上げるふりをして、母に怒られていました。
また、外で買っていた犬なのですが、田舎であまり人通りがなかった事もあって、通り過ぎる人を見つけると、ワンワン吠えて大騒ぎをしていたのですが、たまに私が帰ってきた時にも、間違えて吠えかかってくる事がありました。その時に私が怒ると、ハッとした顔をした後、急に庭の木に向かって吠え始めるのです。まるで、あなたに吠えたんじゃなくて、あの木の奴に吠えてたんですよ、と言わんばかりの態度で、あまりのわざとらしさについつい笑ってしまったものでした。
犬が亡くなってもう長い時間が経ちましたが、私が落ち込んでいると、そっと隣に寄り添ってくれたあの姿を、今でも懐かしく思い出します。今は小型犬を飼っているのですが、その犬も、私の子供が落ち込んでいる時、ずっと子供の顔を舐めています。あの頃、私があの犬を大切に思っていたように、今は子供が同じように犬を大事にしているのを見ると、なんだか嬉しい気持ちになります。”